ダイエット中に朝食を抜くと、脂肪を余分に蓄えたりイライラしたりと、良くない影響を及ぼす可能性があります。ここでは、朝ごはんがダイエットにおいて重要である理由を5つ解説し、さらにおすすめの朝食メニューも紹介します。
朝ごはんのメリット
1. 朝ごはんを食べれば体温が上がり代謝アップ
朝食をとることで代謝が上がります。食事をとると安静にしていても代謝量が増えることを「食事誘発性熱産生」と呼びます。
1日の総エネルギー消費量は基礎代謝が約60%、食事誘発性熱産生が10%、身体活動量が30%で構成されています。食事の摂取量で総エネルギー消費量は変動するため、極端に食事量を落とすと総エネルギー消費量が減ってしまいます。
食事誘発性熱産生を高めるにはよく噛んで食べる朝食が良いといわれているので、スムージーやプロテインだけで済ませず、よく噛む食品もあわせて摂取しましょう。
2. 脳のエネルギー源となりパフォーマンスが上がる
脳のエネルギー源となるのはブドウ糖です。寝ている間に体内のブドウ糖が使われるため、朝は脳のエネルギーが不足しがちです。
朝ごはんで炭水化物に含まれるブドウ糖を摂取すれば、ボーッとしてやる気が出ない朝から解放され、仕事のパフォーマンスが上がります。
3. 血糖値の急上昇を防ぐ
朝食を抜くと午前中に血糖値が上がらずエネルギー不足な状態で昼食を摂ることになります。空腹時間が長いまま食事をして血糖値が急上昇すると、インスリン分泌でエネルギーに変えられず余ったブドウ糖が脂肪として蓄えられてしまいます。
朝食は血糖値をゆっくり上げる食事を意識しましょう。ごはんや胚芽パンなどゆっくりと消化される主食がおすすめです。
4. 体内時計が整い規則正しい生活に
人間には体内時計と呼ばれるものがあり、24時間周期の昼夜変化に同調して、ほぼ1日の周期で体内環境を整える機能です。
体内時計が乱れると、不眠や感情の不安定さなどさまざまな不調を感じることも。朝日を浴びてしっかりと朝食をとると体内時計が整い、体調にも良い変化を感じるでしょう。十分な睡眠時間はダイエットで結果を出すために必要不可欠です。
5. 排泄を促しスッキリ
インドの伝統医療「アーユルヴェーダ」では、朝の時間帯は排泄の時間帯と考えられています。朝ごはんを食べると腸が刺激され、便通を促して体内の余分なものを排出し、巡りのいい体に整えられるのです。
3大鉄則】痩せる朝ごはんの食べ方とメニューのポイント
朝ごはんを食べるとダイエットに役立つのは事実ですが、食べたいものを好きなだけ食べるという食べ方では、脂肪を溜め込んでダイエットに逆効果になります。
朝ごはんを食べながら痩せるためには、次の3つのポイントを意識したメニューを用意しましょう。
ダイエット中の朝食3つのポイント
1. 血糖値が上がりにくいメニュー
2. 胃腸を温めるメニュー
3. 高タンパクなおかずを加えたメニュー
血糖値が上がりにくい低GI値&食物繊維豊富なメニュー
血糖値が上がりにくいGI値の低い主食を摂る
GI値が低い食品は血糖値が上がりにくく、ダイエット中の主食におすすめです。
朝食の主食には、GI値が55以下の食品をチョイスしてみましょう。
食品名 | GI値 |
---|---|
大麦 | 22 |
そば粉パン | 47 |
ライ麦パン | 50 |
コーントルティーヤ | 52 |
ロールドオーツ(オートミール) | 55 |
特におすすめなのがオートミール。GI値が低いだけではなく、食物繊維やビタミン、ミネラル豊富で栄養たっぷり。腹持ちが良いのでお昼まで空腹感に悩まされる心配もなし。
食物繊維が豊富な食品を摂る
GI値が低い食品を用意するのが難しい場合は、食物繊維が豊富に含まれる食品と主食をセットでいただきましょう。
食物繊維の中でも、海藻類や果物類に多く含まれる水溶性食物繊維は、血糖値の急激な上昇を抑えるといわれています。
わかめや豆腐を入れたお味噌汁や、ひじきの煮物、こんにゃくの炒め物などを常備菜にすると良いですね。
胃腸を温めるメニュー
温かい朝食メニュー例
朝ごはんのメニューはなるべく温かい状態で食べましょう。例えば野菜を摂る場合は、冷たいサラダではなく温野菜や野菜スープにしたり、フルーツの場合は常温に戻したものや焼いて食べられるものは焼いて食べたりと、調理を工夫するのです。
朝ごはんを温かい状態で食べると、胃腸が温まってより活発になり、体で熱を産みやすくなるため、エネルギー消費量も多くなります。
温かい朝食メニュー例:
– 野菜たっぷり味噌汁、スープ
– 温めたオートミール
– おかゆ
– ホットヨーグルト
– 焼きフルーツ(焼きバナナや焼きリンゴなど)
朝食にスムージーやプロテインドリンクを飲む場合は、材料を常温にすると胃腸を冷やしにくくなります。バナナのような南国系フルーツは体を冷やすともいわれているので、焼きフルーツにするのがおすすめです。
高タンパクなおかずを加えたメニュー
高タンパク低脂質な食材リスト
朝は体内のタンパク質が不足している状態なので、朝ごはんでタンパク質をしっかり摂りましょう。
タンパク質は筋肉を成長させる大事な材料の一つです。筋肉量が低下すると代謝も低下し、脂肪を燃やしにくい体になってしまいます。
筋肉量の低下を防ぐために、筋肉を成長させるタンパク質は朝からしっかり摂りましょう。
また、朝にタンパク質を摂ると、アミノ酸「トリプトファン」の効果でセロトニンやメラトニンといった質の良い眠りにつながるホルモン分泌が促され、快眠にもつながります。
質の良い睡眠が取れるようになると、食欲を抑えるホルモンの分泌が促され、食欲コントロールにも役立つのです。
ただし、ダイエット中は高タンパクかつ低脂質な食品を選び、調理時もなるべく脂質の多い調味料は控えるようにします。
(サバなど青魚の脂質は体に良い脂質といわれているので青魚はおすすめです)
食品カテゴリ | 食品名 |
---|---|
お肉 | 豚ヒレ肉、牛ヒレ肉、牛もも肉、鶏胸肉(皮を剥ぐ)、ささみ |
お魚 | 白身魚、イワシ、マグロ、サバ、カツオ、鮭、イカ、たこ、ノンオイルツナ缶 |
大豆食品 | 納豆、豆腐、厚揚げ |
ダイエット中の朝食おすすめメニュー3選
インドの伝統医療アーユルヴェーダでは、朝は排泄の時間帯と考えられています。排泄を促すには、内臓に負担をかけない・内臓を温める朝ごはんが効果的です。
体を冷やさず内臓に負担をかけないヨガ的朝ごはんメニューをご紹介します。低糖質・低カロリー・高タンパクという3つのポイントを押さえたメニューになっているので、ぜひ参考にしてみてください。
根菜たっぷり味噌汁+鮭おにぎり
朝ごはんはしっかり食べたい人は、低カロリー・低糖質でもお腹が満たされる汁物にこだわりましょう。味噌汁は朝の定番メニューですが、食物繊維たっぷりの根菜を数種類入れて具沢山にすれば、かみごたえがアップして腹持ちが良くなります。
根菜たっぷり味噌汁の作り方:
1. 人参や大根、白菜、ごぼうなどお好みの根菜類を一口大にカットする
2. 鍋に500mlの出汁(昆布出汁がおすすめ)を中火で熱し、ふつふつ湧いたら根菜類を加えて中弱火で煮る
3. 根菜類が柔らかくなったら卵を落とし、お好みの状態まで弱火で加熱する
4. 火を止めて味噌を溶かして完成
味噌にはお腹に良い菌が含まれているので、腸内環境を整えて朝のデトックス促進にも効果的です。卵を落とし入れれば、汁物でもタンパク質をしっかり摂れますよ。
また、根菜は心身を落ち着かせる効果もあるため、ダイエット中のストレス食い予防にもつながります。
主食はタンパク質も摂れる鮭入りの小さめおにぎりをチョイス。500kcal以下でも朝からお腹満足のメニューです。
ビタミンたっぷりスムージー+ゆで卵+低糖質パン
朝ごはんにパンを食べたい人におすすめのメニューです。食パンにバターやジャムを塗ったり、マヨネーズ入りのサンドイッチにアレンジしたりするのではなく、低糖質パンを活用しましょう。
全粒粉パンをトーストして、オリーブオイルを垂らして食べるだけでも美味しいですよ。
パンだけでは栄養が偏るので、ビタミン・ミネラル・食物繊維が摂れるフレッシュスムージーと、お手軽にタンパク質を摂れるゆで卵も+。
ビタミンたっぷりスムージーの作り方:
1. 朝ごはんを食べる30分前に小松菜1株、リンゴ1個、みかん1個、生姜1スライスを冷蔵庫から取り出しておく
2. フルーツ、野菜を常温に戻すことで体が冷えるのを防ぎます
3. 材料を適当な大きさにカットし、ミキサーかブレンダーに入れる
4. 常温またはぬるめのお水200cc、オリーブオイルまたは亜麻仁油小さじ1を入れてスイッチオン。完成
スムージーを作るのが面倒な朝は、水や牛乳に溶かすだけで飲める市販品を活用してもOK。糖質量が多いものもあるので、糖質量をチェックして選んでくださいね。
ナッツたっぷりホットヨーグルト
朝ごはんはあまり食べられない人は、胃腸の負担が少なくお腹にも良いヨーグルトメニューがおすすめです。ただし、冷蔵庫から取り出したばかりの冷たいヨーグルトは体を冷やします。レンジで軽く温めたホットヨーグルトとして食べましょう。
ナッツたっぷりホットヨーグルトの作り方:
1. 耐熱容器にヨーグルト、水大さじ1を加えて混ぜる
2. ラップをかけずにレンジで40秒ほど加熱する
3. 無塩のミックスナッツを20粒ほどと、一口大にカットしたフルーツを1種類、あればきな粉と黒すりごまを大さじ1加えて完成
フルーツはりんご、いちご、キウイがおすすめ。栄養が偏らないように、ビタミンミネラル豊富なミックスナッツと、エネルギー源になる果糖を摂れるフルーツを1種類トッピング。
さらに、大豆たんぱく質と食物繊維が摂れるきな粉や、鉄分豊富な黒ごまも加えれば、低カロリーでも栄養たっぷりの朝ごはんになります。
まとめ
ダイエット中の朝ごはんはカロリーを抑えることも大事ですが、何を食べるのか内容を意識することが優先です。糖質や脂質の多い食べ物はできるだけ避けて、低糖質・温かい・高タンパクなメニューを意識して摂りましょう。
ダイエット中に朝食を食べ過ぎた